| 学術研究 NO.063 安斎忠雄
研究課題 「多摩川水系における川漁の技法と習俗」 |
| その昔、多摩川が生気にあふれ、清例で、漁族を豊かに育みつづけていた頃、流域一体に漁りして生計を営む多くの人たちがいた。
とくに多摩川は、江戸初期以降、鮎の川として知られ、大量の鮎を江戸に供給する重要な役割を果たしてきた。 そのような時代的背景の下で、さまざまな漁の技法を発達させながら多彩な伝統漁撈の文化を確立させたが、河川の荒廃と流域の変貌とともに、かつての漁の技法やそれに使う用具をはじめとする貴重な文化遺産は消滅の危機に瀕した。遅きに失したとは言え、かつての漁撈文化の余沢はまだ多摩川流域に残されている。それらの調査・研究を通じて、その昔、生命力にあふれる多摩川の辺に繰り展げられた人と川との係わり合いを解明することで、河川の荒廃を前に蘇生を模索しつづける現代に、何がしかの示唆を提供し得ればと願い、かつて栄光に満ちた多摩川の漁撈文化を支えた漁の技法を明らかにする事を目的とした。 共同研究者 |