学術研究 NO.086 小泉武栄
研究課題
「多摩地区におけるカンアオイ類の分布、生態と保護、育成に関する研究」
 東京西部の丘陵地帯には、かってタマノカンアオイやカントウカンアオイなどカンアオイ類が広く分布していた。しかし近年、開発や盗掘などによって個体数が減少し、いまや絶滅危惧植物に指定されるほどになってしまった。
 本研究ではカンアオイ類の保護、育成の手立てを探るために、多摩丘陵七国峠付近のタマノカンアオイ群落を中心にその分布、生態や生活史を調査した。
 カンアオイ類は分布の拡大能力が著しく小さく、種子の分散速度はこれまで年に10cm程度とされてきた。しかしここのタマノカンアオイは斜面崩壊や小さい地すべり、あるいは斜面上の水流などによっても種子の株そのものが移動しており、分散速度はこれまでの推定よりもはるかに大きいと推定できる。したがって、自生地の保存させ行われれば、絶滅の危険は少ないといえる。ただ分布地域が現在のように次々に開発されてしまえば、カンアオイ類は近々、幻の植物になってしまう恐れがある。まとまった自生地は自然公園に指定するなどして早急に保護する必要があると考える。
共同研究者
押本絵里、牧野智子



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